本稿では,ID/ロケータ分離ネットワークにおけるホスト移動時の通信継続性に基づいて,利用時間とロケータを考慮した最大伝送レート制御法を提案する.提案方式では,通信セッションの利用時間が増加するにつれて最大伝送レートが動的に変化する.またホストの移動によってロケータが変化した場合にも最大伝送レートが変化する.本提案方式を用いることで,利用時間の長いユーザの移動促進や利用時間に関する公平性が実現され,無線LANなどの通信ネットワークの有効利用が期待できる.提案方式の性能を評価するために,HIMALIS(Heterogeneit Inclusion and Mobility Adaptation through Locator ID Separation)アーキテクチャを用いた実験システムを構築し,提案方式がビデオ通話アプリのQoEに与える影響を調査する.実験結果から,提案方式に従って伝送レートを変化させることで,映像と音声に対する被験者の体感品質が変化し,ユーザの通信中止や移動などの行動を促すことができることが分かった.
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