無症候性ラクナ梗塞の存在は後に起こり得る重篤な脳梗塞との関係が示唆されているために,MR画像においてラクナ梗塞を検出することは重要である.しかし,すべてのラクナ梗塞を正確に検出することは血管周囲腔拡大との鑑別がしばしば困難なために難しい.本研究では,病変の解剖学的位置情報を考慮することによって従来のCADシステムを改良した.解剖学的位置情報は,Visible Human Prqjectの低温切開片画像をレジストレーションにおける参照画像として用いることで得た.抽出された病変から解剖学的位置情報,形状,T_1強調画像,T_2強調画像の信号強度に関する画像特徴量を計測し,それらを入力としたニューラルネットワークによってラクナ梗塞と血管周囲腔拡大を鑑別した.実験の結果,ROC曲線以下の面積は0.932であった.したがって,本手法はラクナ梗塞と血管周囲腔拡大の鑑別に有用であると考えられる.
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