知人による合成似顔絵画像とその誇張表現手法の提案

摘要

また，作成されたアバタを誇張表現することにより，モデルとの類似度が上がる傾向が示された．これまでに提案されている似顔絵作成システムは，顔画像に対して画像処理を施し，自動的に生成するものが多い．しかしながら，似顔絵をアバタに利用することを考えた場合，本人の特徴を捉え，その画像から本人を容易に類推できること以外に，本人にとって愛着が湧くことが重要である．本研究で提案している手法は，ユーザの友人が似顔絵を描くという手間をあえてさせることにより，ユーザ自身に生成されたアバタへの愛着を持たせることを意図している．現在の情報処理技術やシステムは，いかに人の手間を省くかに重点が置かれている．インターネットをはじめとするバーチャルな社会において人々が他人との繋がりを感じるためには，自動化を進めるよりむしろ相応しい手間をかける仕組みを考える必要があると考えられる．