意識障害

摘要

意識とは，周囲の環境と自己を認識している状態である．意識が障害されると自己と周囲を正しく認識できなくなるわけであるが，その障害は深い昏睡から傾眠まで程度はさまざまである．さらに，意識障害を生じる疾患は，脳血管障害や脳腫瘍など器質的脳損傷によるものに加えて，低酸素血症，血糖異常，電解質異常などの代謝障害も含めて多様である．病歴，神経学的所見一般理学所見，諸種検査所見に基づいてはじめて鑑別が可能となる場合がまれでない．以下に，意識障害の評価，対処を中心に述べたい．