SDM-PONにおけるクリップ送信方式のシンプル化の検討

摘要

筆者らは先にSDM（Subcarrier Digital Modulation）-PONを提案し，光送信電力を低減するためにQAM信号のマイナス成分をクリップして伝送する方式を検討した．この検討では，受信側においてクリップされた信号からもとの信号を得るために，BPF（Band Pass Filter）を通した信号と，その信号にπ位相の奇数倍に相当する遅延を付加して反転した信号を加えて，再度BPFを通す方法を用いた．本論文では，クリップ送信方式における受信処理のシンプル化を目的に，以前提案したBPFのみを用いた方法を検討する．BPFとして，代表的なBessel，Chebyshev，Butterworthの3種類について，伝達関数の次数と通過帯域幅を評価する．この結果で特性の最もよいBesselのBPFを用いて，20km同一伝送距離，及び2kmから21kmの異なる伝送距離のONU 8台を収容する16-QAM SDM-PONの伝送特性を評価し，実現性を示す．更に，20km同一伝送距離のONU 16台を収容するSDM-PONの伝送特性を評価し，実現性を示す．