マイクロバブルを用いた超音波ドプラ血流計測法の基礎的検討

摘要

コントラストエコーハーモニックイメージングは，血管中にマイクロバブルである造影剤を皮下注射し，超音波エコー強度を増強して生体内部を映像化する手法である．マイクロバブルに超音波が照射されると，エコーにはその非線形振動によって第二高調波を発生する．受信されたエコー信号からその第二高調波によってイメージングを行えば，血流分布のコントラストが増大する．一方，第二高調波はマイクロバブルの非線形振動に加え，超音波の組織伝搬の非線形性によっても生成されるため，形成されるハーモニックイメージは必ずしも血流分布と一致しない場合があった．そこで我々は2つの異なる周波数の音波を交差させ，交差領域において発生する和音成分に着目するCBCE （Crossed beam Contrast Echo）法を提案した．本研究では，和音のドプラ周波数と流速の関係を導き，実験によって基礎的な検討を行ったので報告する．