大は小を兼ねないが、小は大を兼ねる林業 .大規模集約施業の問題点と、全国に広がる「土佐の森方式」

摘要

「百業づくり全国ネット」発足2月19-20日、高知県仁淀川町で「百業づくり全国ネットヮーク設立フォーラム」が開催され、全国約30地域から130人以上が集まった。その趣旨は農山村で専業型の仕事を追い求めるのではなく、生活に密着した小さな仕事を発掘し、かたちにしていこ、つとい、つもの。ここで地元自伐林家のKさんによる事例発表に会場がどよめいた。自伐林家とは、自分が所有する山を自分で間伐、伐採などを行なう林家のことで、Kさんは10年ほど前に60歳を超えて林業を始めた「定年帰林」組だ。私が出会つたのは、4年前に始まった小規模自伐林家による林地残材の収集運搬システム「土佐の森方式C材で晩酌を！」(以下「土佐の森方式」)に参入されてからだ。当時Kさんは1人で林業をしていたが、市街地でサラリーマンをしている息子さんが、休日にはときどき手伝いに来ていることを知った。私は当時から「土佐の森方式なら自伐林業は成り立つ」と確信していたので、息子さんにUターンを勧めるようKさんに話していた。