狭帯域干渉が存在する環境でのOFDM信号伝送型UWB時空間チャネルサウンダの性能評価

摘要

著者らはOFDM（orthogonal frequency division multiplexing）信号伝送型UWB（ultra-wideband）時空間チャネルサウンダとチャネル推定法を開発し，電波暗室で測定した実測データを用いて実証した．OFDMを採用した広帯域システムは帯域内にスペクトルホールを容易に作ることができるので，狭帯域システムが広帯域OFDM信号帯域内に存在する場合，その帯域にスペクトルホールを設けることで異なるシステムの共存が可能になることから，コグニティブ無線の有望な技術のlつになっている．そこで，チャネル推定法を応用し，OFDM信号復調前のFFT 前後の信号を利用した広帯域OFDMシステム内に存在する狭帯域信号推定法を新たに開発した．実際のOFDMシステムは帯域内に狭帯域システムが存在すると両者は非同期なため，サブキャリア間干渉を起こしチャネル推定精度に影響を与える．そこで，電波暗室で実測したデータを用いて狭帯域信号推定法を評価したので報告する．帯域幅500MHzの広帯域OFDM信号の帯域内に帯域幅20MHzの狭帯域信号が存在するという仮定のもとで，到来波数，到来方向，D/U比をパラメータとしていくつかのシナリオについて実証した．その結果，広帯域OFDM信号のTOA （time of arrival）とAOA（angle of arrival）だけでなく，狭帯域信号のAOAと占有帯域を正しく推定できることを確認した．