キラルナノグレーティングの分光計測への応用（II）

摘要

光学領域でのメタマテリアルの一種である平板型キラルナノグレーティング（Planar Chiral Nano-Grating：PCNG）の分光計測用部品としての可能性を検討した。1枚のPCNGと1対の偏光子を用いて、偏光干渉計型のバンドパスフィルタ（BPP）を構成することができる。我々は近赤外波長域向けとして、ガラス基板上のSi単層薄膜を用いたPCNGの基礎設計を行ってきた。これまでの検討ではPCNGパターンを不完全掘り込み型にすることで良好な特性が得られることを示してきたが、今回は製造プロセス上の観点から、Si層と基板の間にエッチストップ層となる下部クラッド層を設けた場合について検討した。Al_2O_3，Si_3N_4等の種々の誘電体材料を用いる場合、Siの不完全掘り込み時にエッチングされずに残る層の厚みより2～3倍程度層を厚くすることで同等のBPP特性が得られることを明らかにした。