マルチレート無線LAN環境における伝送レート変化とスループットの実験的評価

摘要

無線LAN通信技術の向上と電子機器の小型化技術の進歩に伴い，スマートフォンやタブレット等，無線LANに対応する機器が急激に増加している．実際にこのような機器が利用される通信環境では，電波減衰や地面からの反射波，他の無線機器からの電波干渉により通信品質が変化する．このような環境要因の変化に対応するため無線LAN端末では，通信環境に応じて複数の伝送レート（マルチレート）を動的に制御するRate Adaptation技術が利用されている．既存研究では，無線LANマルチレート環境における通信距離を考慮したスループットと伝送レートの特性評価は行われているが，端末を限定した特定の環境のみの評価であり，不十分であった．そこで，本稿では，異種端末を用いた場合と異種のAPを用いた場合，送信端末が同種の複数台の場合の伝送レート変化とスループットの特性を実験的に評価する．