#8810;二次性ネフローゼ症候群の治療#8811;アミロイドーシス

摘要

アミロイドーシスは原因物質となる沈着タンパクが多種存在するとともに，その臨床経過も多様性に富んでいる．また，沈着タンパクごとに治療方法が検討されているが効果は一定ではなく，いまだ確立したものはない．本稿では，このように多様な病態，臨床経過を特徴とするアミロイドーシスの一部分症としての“腎アミロイドーシス”を概説する．腎アミロイドーシスとは，クリオグロブリン血症に伴う腎障害や，L鎖沈着症などと同様に血液学的には“para－protein血症に伴う腎障害”の一つに分類され，組織学的には“糸球体内細胞外基質に細線維構造（non－branching fibrillary structure）を呈する沈着物（deposit）を認める疾患群”の一つである．そして，これらの疾患の中で腎アミロイドーシスはCongo－red染色陽性のアミロイド細線継が沈着しているという点を特徴とする．