《肝発癌予防のための治療》C型慢性肝炎インターフェロン無効例に対する発癌予防対策

摘要

C型慢性肝炎に対する発癌予防対策としては，インターフェロンによるC型肝炎ウイルスの除去またはALT値の正常化が理想ではあるが，現実にはインターフェロンが無効である症例が少なくとも半数は存在し，しかも，はじめからインターフェロンの適応外となる症例もかなり存在するいこれらの症例に対する肝発癌予防策は現実的には重要であり，本稿ではそれらについて述べる．現在，これらの症例について行える方法としては，①抗炎症療法と②除鉄療法（瀉血療法）の2つがあるので，これらについて順に記載することとする．なお，抗炎症療法としては，われわれの行っている多剤併用を用いての抗炎症療法，強力ネオミノファーゲンC（SNMC）単独の方法，小柴胡湯単独の方法，などが報告されているが，の多剤併用を用いての抗炎症療法がもっとも現実的で有効率も高いので，本稿ではこの治療法について詳述する．