慢性骨髄性白血病

摘要

慢性骨髄性白血病（CML）の治癒を目指した治療の第一選択は造血幹細胞移植とされてきたが，CMLのBCR－ABLチロシンキナーゼの選択的阻害薬imatinib mesilate（以下imatinib）の登場はCMLの治療に大きなインパクトを与えた．2002年半ばに報告されたIFN－α療法との比較試験の結果はimatinibの圧倒的な臨床効果を示し，移植を受ける症例は実際減少傾向にある．imatinibのより高い効果と毒性の少なさから，移植か薬物療法かの選択はいっそう困難となり，選択の根拠となる詳細な情報が必要とされている．本稿では，これまでに明らかにされたimatinibの臨床試験の成績を慢性期を中心にまとめ，今後の方向性について概説する．