急性白血病における非血縁者間移植

摘要

HLA適合同胞がドナーとして見出されない患者に，非血縁のHLA適合ドナーからの移植を可能にするためには，骨髄ドナーバンクが必要である．わが国では，東海骨髄バンクをはじめとする地域骨髄バンクを引き継ぎ，1991年12月に日本骨髄バンク（Japan Marrow Donor Program：JMDP）が発足し，1993年1月に第1例の移植が実施された．その後，2003年12月までの10年間にJMDPを介した非血縁者間骨髄移植数は4,573例に達し，2002年の年間移植数は705例と年々増加している．これは，JMDPのドナー登録者の増加と適応疾患の拡大によるもので，2003年5月現在のJMDPの有効ドナー登録者数は170,560人に達している．疾患別にみると，急性骨髄性白血病（AML）と急性リンパ性白血病（ALL）はほぼ同数で，移植症例の半数を占めており，非血縁者間移植の主要な対象疾患となっている．