自然毒中毒

摘要

生物がもつ毒素をヒトが摂取することによって， 人体に有害事象が生じることである.代表的なも のは，毒素を含有する魚介類，高等植物，キノコ による食中毒である.このなかで，わが国で生じ る可能性のある，致死的な自然毒中毒について記載する。魚介類による食中毒のなかで死亡事例が多いの はフグによるものである.西日本に多く，旬である12-1月に多い.キノコによる食中毒のなかで死亡事例が多いのはドクツルタケとシロタマゴテ ングタケによるものである.東日本に多く，これらのキノコの発生時期が梅雨から梅雨明けが中心 であるため夏に多い.高等植物による食中毒のな かで死亡事例が多いのはトリ力ブト類によるもの である.東日本に多ぐ主に山菜との誤食によるので春に多い.