Modulation transfer function(MTF)やnoise power spectrum(NPS)などを用いたX線撮像系の客観的な評価は,receiver operating characteristic(ROC)解析などを用いた主観的な評価と必ずしも一致しない.また,MTFやNPS を臨床画像から求めることはできない.そこで,われわれは,定量的な複雑さのほかにヒトの視覚の周波数特性を含む指標系としてMTPフラクタル次元を医用X線撮像系に導入した.本研究では,淡い模擬腫癌陰影を付加した胸部X線画像に対してMTFフラクタル次元の測定と観察者実験を実施した.その結果,二つの測定結果は同様の傾向を示した.これによりMTFフラクタル次元が医用X線画像の画質評価の一指標になり得る可能性が示唆されたものと考える.
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