粒径が異なる金属ナノ粒子の集まりからの光の散乱と吸収

摘要

近年，粒径がナノメートルサイズの金属粒子（以下、ナノ金属粒子）の集合体や配列による光の散乱·吸収が，局在プラズモン（Localized Surface Plasmons）に関連してki 基礎的研究から応用まで，また実験と理論の両面から盛んに研究されている.ナノ金属粒子やその集合体による光の散乱·吸収は，電磁界解析のシミュレーションにより調べることができ，FDTD法，Generalized Multipole Technique（GMT），Finite Element Method（FEM），積分方程式法などによる解析例が数多く報告されている．筆者らも，ナノ金属の集合体による光の散乱·吸収についてGMTを用いて数値解析を行っている．ナノ金属粒子が近接した粒子群では，各ナノ金属粒子に励起される局在プラズモンが相互作用を起こし，散乱·吸収に強く影響する.まず，数十～数百nmの粒径を持つナノ金粒子のコロイド溶液の吸光度のスペクトル特性を測定し，その実験結果とGMTによる数値解析の結果からナノ金粒子の粒径が局在プラズモンに及ぼす影響について考察する．次に，粒径が異なる2個または3個のナノ金粒子配列を考え，粒径が各粒子に励起する局在プラズモンの相互作用についてシミュレーションする．