認知行動療法

摘要

米国保健医療研究局（AHRQ）の示したうつ病治療のガイドラインによれば，軽症から中等症のうつ病で，患者が望む場合には，抑うつ症状の軽減を目的として精神療法を最初から実施することができると指摘されている．また，米国精神医学会によると，①軽症から中等症;②心理社会的ストレス因が存在する;③精神的葛藤が認められる;④対人関係に問題がある;⑤パーソナリティの偏りがうつ病に影響していると判断できる;⑥患者が心理療法を希望している;⑦患者が妊娠中，授乳中，妊娠を希望しているといった場合には，うつ病に対して精神療法を適用することができると指摘されている．そして，うつ病に対する精神療法として有効性が認められているものには認知療法と対人関係療法があり，また，行動療法，問題解決療法が有用であるという指摘が行われている．そして，それらは，遷延化したうつ病，薬物療法に反応しない軽症から中等症のうつ病，気分変調症，抑うつ反応を伴う適応障害，一時的な抑うつ気分の解消に対する精神療法として有効であるといわれている．