結合スプリットリング共振器構造を用いた100GHz帯無線-光変換デバイス

摘要

近年，ミリ波／テラヘルツ波帯（＞100GHz）の信号の利用が次世代大容量通信やリモートセンシング，分光などの分野で注目を集めている．しかし，100GHz帯以上の信号を光信号に変換する技術はまだ確立されていない．そこで我々は，メタマテリアルの一種である結合スプリットリング共振器（C-SRR）を用いた100GHz帯以上で動作する無線一光信号変換デバイスを提案する．メタマテリアル特有の零次共振モードを利用し光変調を行うことで，100GHz帯信号に対して，従来型の光変調器に比べ高い変調効率が期待できる．本デバイスでメタマテリアル構造を用いた100GHz帯の光変調を実証した．10dBmの無線信号照射時に～3mradの変調指数と～4.9GHzの帯域幅が得られた．動作周波数はC-SRR構造のパラメータを変化させることで制御可能であり，100GHz帯以上の周波数への応用も期待できる．本稿では，このデバイスの動作原理·設計·試作·評価実験の詳細について報告する．