《COPDの診断》COPDと鑑別を要する疾患

摘要

慢性閉塞性肺疾患（COPD）と鑑別を要する疾患として気管支喘息,びまん性汎細気管支炎（diffuse panbronchiolitis：DPB），閉塞性細気管支炎（bronchiolitis obliterans，obliterative bronchiolitis，constrictive bronchiolitis），肺リンパ脈管筋腫症（lymphang ioleiomyomatosis：LAM）などがあげられる．気管支喘息との鑑別については，COPDは完全に可逆的でない気流制限を特徴とする疾患であり，この気流制限は通常進行性である．一方，気管支喘息は可逆性気流閉塞，慢性好酸球性気道炎症，気道過敏性の3つの特徴を有する疾患であり，多くは臨床的に鑑別可能である．一部に可逆的でない気流制限を示す気管支喘息症例が存在し，鑑別が困難な場合があるが，COPDではHRCTで肺野の広汎な低吸収域，肺血管の減少，細小化などの所見がみられるので，CT所見によって鑑別することができる．