β展開を用いたAD／DA変換の量子化誤差

摘要

現在A／D変換で使用されているPCMは，高精度であるが，量子化器の閾値の素子感度に敏感なため安定性に欠ける．閾値の揺らぎに対してロバスト性を持たせた変換方法として，最近，2進展開の代わりに1＜β＜2を基数として実数値展開するβ展開を利用したβ変換によるA／D変換が提案されている．本稿では，Daubechies et al．，Kohda et al．，Wardがそれぞれ提唱したβ変換の符号化方法とその復号方法を紹介し，復号後に生じる量子化誤差について比較する．