ETS-VIII用電子追尾型パッチアレーアンテナ

摘要

2004年に宇宙開発事業団より打ち上げ予定の技術試験衛星VIII型(ETS-VIII)を用いた実験計画においてSバンドを使用した音声·画像などのデータ通信を対象とした移動体衛星通信実験が予定されている．一般に衛星からの電波は地上波に比べ微弱であるため移動局に用いられるアンテナはある程度高い利得が求められる．そこで我々は，水平面内をいくつかの領域に分け，領域と同数のビームを切り替えることで高い利得で水平面内をカバーする方法を採用し，移相器を必要としない簡単なON, OFFの給電制御によってビームを電子的に切り替える電子追尾型パッチアレーアンテナの検討を行っている．本報告では，素子数を3素子及び4素子とした2つのタイプのパッチアレーアンテナについて，構成，概要を説明し，モーメント法による数値計算結果を用いて特性比較を行った．その結果3素子及び4素子のいずれのモデルも，仰角48°方向の全方位角において6 dBic以上の利得でカバーできる可能性を確認した．