症例は73歳,女性。5年前より関節リウマチに対しメトトレキサート(MTX)を含めた抗リウマチ薬を投薬中であ る。2週間前からの心窩部痛を認めていた。他院での上部消化管内視鏡検査では,胃内に多発する粘膜下腫瘍を認めていた。 前日からの腹痛を主訴に前医を受診し,CT検査上free airを認め消化管穿孔の診断で当院救急搬送となった。来院時汎発性 腹膜炎を呈しており,同日緊急手術を施行した。腹腔鏡下に観察すると回腸に1cm大の穿孔,また近傍の腸間膜内に5 cm 大の腫瘤様の硬結を触知し,雨病変を含めた小腸部分切除術を施行した。他の腸間膜にも数cm大のリンパ節腫脹を認めた。 経過から,MTX関連リンパ増殖性疾患(MTX-LPD)を疑い,MTXのみ休薬の方針とした。切除した小腸は上部消化管内 視鏡検査の生検とともに,diffuse large B cell typeの悪性リンパ腫と診断された。術後1?2か月に施行したPET検査,CT 検査,上部消化管内視鏡検査では腫瘍は消退しており,術後6か月の時点でも再発徴候を認めていない。
展开▼