コンテキスト指向フレームワークContextCSによる掃除機開発

摘要

実行時に環境に応じて振る舞いの変更するメカニズムを有し，明示的に環境すなわちコンテキストを扱える技術として，コンテキスト指向プログラミング（Context Oriented Programming：COP）がある．COPはコンテキスト適応型の組込みソフトウェアにとって期待される技術である．そのような組込みソフトウェアの多くは，異機種のデバイスを有し，既存資産を有し，プロダクトライン開発を行う．このような特徴を処理可能にするために，我々はCOPの概念を備えたContextCSと呼ぶC＃のフレームワークを開発してきた．本フレームワークは以下の特徴を持つ．（1）実行時に外部からレイヤを追加，（2）サービスプログラムとレイヤ切り替えプログラムの分離，（3）アノテーションによるレイヤ管理．本稿では，ContextCSを評価するために開発する異機種掃除機システムについて紹介する．