電圧クランプ回路によりゼロ電圧スイッチング動作と高調波電流の抑制を行う自励発振方式の一段式力率改善コンバータを提案する.本コンバータは,一方のスイッチのオン時間で出力電圧,他方のスイッチのオン時間で入力平滑電圧を安定化するように帰還回路をそれぞれ構成し,二石のスイッチのオン時間をそれぞれ独立に制御して交互にZVS動作を行うことで高調波電流の抑制と高効率化を両立する.また,交流入力電流とスイッチング電流を別々に整流し,入力ダイオードの電圧をクランプする構成として,交流入力ラインにおける低域フィルタを不要とする.解析では,状態方程式を求めて交流入力電流波形,入力電力,高調波抑制条件,ZVS動作条件を導いた.実験では,人力AC85~264V,出力15V/10Aにて設計を行い,出力15V/6Aにおいて入力AC100Vにて効率87.5,力率0.993,及び入力AC230Vにて効率90.6,力率0.955を達成し,高調波電流は国際規格IEC61000-3-2 Class Dに対して十分小さな値を得た.
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