Yee格子に電磁界を配置した擬スペクトル時間領域法

摘要

大規模領域の電磁界解析に有効な擬スペクトル時間領域（PSTD）法を用いて、ランダム媒質の光散乱特性を解析することが行われている。従来のPSTD法では、電界、磁界の標本点を同じ位置に配置していた。これにより、電磁界のナイキスト空間周波数成分が空間微分によって失われ、不要な波が発生していた。本研究では、この問題を解決し、微小な散乱体についても解析が行えるように改良する方法を提案する。電界、磁界の標本点をYee格子上に、交互に配置することにより、電磁界のナイキスト空間周波数成分が失われることを防ぎ、不要な波を除去することができる。本稿では、その解析手法と、完全吸収境界の特性、および解析によって得られるランダム媒質の光散乱特性について詳細を報告する。