マルチビュービデオ伝送に関する研究は,MVC(Multi-View video coding),IMVS(Intractive multiview video streaming),UMS(User dependent Multi-View video Streaming)など,数多く行われているが,その多くが有線網を代表とする高データレートを持つ通信環境を想定したものである.一方,低データレートを持っ通信環境では帯域幅が限られているためトラフィックを出来るだけ削減して伝送することが必要となるが,映像品質の劣化を招く.本研究では,低品質な通信環境として無線通信を想定し,映像品質を維持しつつトラフィック削減を達成するため,無線カメラ間通信を利用して各カメラの映像をユーザへ逐次伝送する方式を提案する.本方式では,各カメラは他カメラからの受信映像と自身の映像間に生じる時空間相関を利用し,冗長な情報を削減することで,映像品質を維持しつつトラフィックを削減する.JMVCエンコーダとMERLから提供されたビデオシーケンスを用いた基礎評価から,本方式は各カメラが独立して映像を伝送する場合と比較し,映像品質の維持と低トラフィックが転成できることを示す.
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