ストロークの方向分布を考慮した文字認識

摘要

日本語の手書き文字のストロークがどのような傾きを以って書かれる傾向があるかを数量的に調べた．特に，活字文字では水平で書かれるべきストロークが手書き文字が，9°ほど右上がりに書かれる傾向があることが分かった．方向ごとのヒストグラムから，4つの正規分布を抽出した．それらの頂点を，（0°，45°，90°，135°）に代わる新しい基準の方向として採用し，従来の経験的な成分分解規則を適用して新しい特徴ベクトルを作り，認識精度を向上させることができた．