建築設備分野における取組みと学会への期待·提言エネルギー会社の取組み（その2）

摘要

IPCC（気候変動に関する政府間パネル）が指摘しているように，COP3で合意された2008～2012年までの温室効果ガス削減目標である"先進国全体で少なくともマイナス5％"を関係各国が達成したとしても，地球温暖化の進行が止まるわけではない。 今すぐ温暖化を止磨るためには，世界中のCO_2（二酸化炭素）排出量を半分以下にしなければならないとすら言われている。 しかも，京都議定書を批准した国のCO_2排出量の合計億は世界全体の3割程度であり，京都議定書の目標を批准国のすべてが達成しても地球全体のCO_2は約1.5％減少するに過ぎない。 　 地球温暖化の主な要因であるCO_2のなかでも，化石エネルギー使用が原因となるCO_2の比率は高い。 そして，日本のエネルギー使用に占める電力の比率が40％程度と高いことから，電力会社は真剣に地球温暖化問題に取り組んでいる。 ここでは，まず全貌を，そして次に，空気調和·衛生工学部門について述べたうえで，学会への期待に言及したい。 なお，特記しない限り，東京電力について記述することをご了承いただきたい。