順天堂大学教授就任にあたつて これまでの研究とこれからの研究室について

摘要

私は1994年に大阪大学医学部専門課程に進みました.私ど もの肉眼解剖学実習は解剖学関連4講座のうち教授不在の過 渡期の講座の担当で，回数が20回に減らされ，肉眼解剖学実 習の後に骨学実習がありました.頭蓋骨の実習中には，不十 分な剖出のまま納棺したご遺体の頭部のことが思い出されま した.当時は大学設置基準の大綱化の名の下で改革が行なわ れた時期ですが，私たちは母校の解剖学教育のく退行化〉の 犠牲になりました.内山先生は翌1995年に大阪大学に着任さ れましたので，接点はない害だったのですが，このスカスカ の解剖学実習が縁で内山先生と遭遇することになりました.