自動車ボディパネル用アルミニウム合金の最近の進歩

摘要

自動車ボディパネル用アルミニウム合金とその加工技術の開発動向について解説した。 国内でも，1970年以降に精力的に研究開発が行われ，海外の材料より特性に優れた5000系及び6000系合金が開発された。 合せてプレス成形，接合，表面処理などの加工技術の進歩により，アルミニウム材料は自動車ボディパネルに適用可能な段階にまで到達し，Table 2に示すように，国内でもかなりの車種にアルミニウムボディパネルが採用されている。しかし，自動車ボディパネル用アルミニウム合金板の国内需要はまだ年間5，000トン程度であり，市場規模はアルミニウムの主要マーケットに比べて極めて小さい。 地球環境問題の深刻化に伴い，自動車の軽量化は不可欠であり，自動車用アルミニウムの需要は着実に増加すると予測されるが，今後は特にボディパネルのような板材の大幅な需要増加が見込まれている。