無線アドホックネットワークにおける送信電力低下をともなう故障中継無線ノード検出手法

摘要

無線アドホックネットワークでは，データメッセージが送信元無線ノードから送信先無線ノードまで中継無線ノード列によって構成される無線マルチホップ配送経路に沿って配送される．このとき，データメッセージを正しく転送しない故障中継無線ノードを検出し，これを中継無線ノードとして含まない新たな無線マルチホップ経路を再構成する手法が求められる．そこで，本論文では，故障中継無線ノードが存在しない通常時におけるデータメッセージの無線マルチホップ配送においては追加の制御メッセージ交換を必要としない watchdog 手法を拡張し，前ホップ中継無線ノードに加えて監視無線ノードが中継無線ノードの故障検出を協調的に行なう手法を考案する．ここでは，中継無線ノードの送信電力低下が発生することによって従来の watchdog 手法では検出することができない中継無線ノードの故障を検出することができる．この監視無線ノードが満たすべき条件を明らかにし，すべての中継無線ノードに対して監視無線ノードを割り当てることができる無線マルチホップ配送経路を探索，検出するプロトコルを設計する．