対角放電電極構造による陽光柱発光型DCプラズマディスプレイパネルの放電発光特性

摘要

プラズマディスプレイパネル（PDP：Plasma Display Panel）の発光効率を改善するために，放電ギャップ長を延伸することにより，放電路内に形成される高効率な陽光柱領域からの紫外線放射を利用した，新しい対角電極構造の直流放電（DC）型PDPを提案した．放電発光時の電極間の二次元近赤外発光観察により，従来の負グロー発光型放電素子（セル）のギャップ長を400μm以上に延伸することで陽光柱領域の発生が顕著に観察された．また，ギャップ長の増加に伴う放電電圧上昇を低減するために，金属陰極の表面に低電圧陰極材料である酸化イットリウム（Y_2O_3）膜を被覆した結果，従来のアルミニウム（Al）電極に比べ，維持電圧を100V程度低減できることが分かった．この構造を，セル内の底面及び隔壁側面に反射蛍光面を有するパネルに適用し，動画像表示特性を評価したところ，従来の負グロー放電を利用したPDPに比べ2倍の発光効率が得られた．更に，放電電流値に依存した放電領域の発光状態の観察により，低電流駆動時に陽光柱発光領域がギャップ方向に延伸され，高い発光効率が得られることが分かった．