近年,FTTH等のブロードバンド環境の普及と共に,IPネットワークを使用した音声通信VoIP(Voice OVer IP)やストリーム映像配信が一般的になりつつある.これらのリアルタイム系アプリケーションでは,ネットワーク品質劣化が直ちにユーザ体感品質の劣化に結びつくため,ネットワーク品質に対する要求が厳しく,ユーザフローの品質を常時把握しておくことが重要となる.一方,ブロードバンドの普及により高速ネットワーク回線が急速に増加している.1Gbpsを越える高速な回線ではフロー毎の品質を常時計測することは難しい.そこで本研究では,リアルタイム系アプリケーションの多くで使用されているUDP/RTPセッションのネットワーク品質計測を,従来よりも軽量に行う手法を提案する.提案する品質計測手法では,RTPパケットのシーケンス番号の観測確率に着目したパケットカウンテイングを行うことにより,パケットサンプリングにより負荷を軽減した状態でも,パケットロス量の計測を可能とする.本稿ではさらに提案手法を実装し,実験環境上で実験を行った.これにより,観測パケット量を従来の数分の一にしても精度良い品質計測が出来ることを確認した.
展开▼