六方晶BN粉末の紫外発光に対する熱処理の効果

摘要

六方晶窒化ホウ素(h-BN)の粉末蛍光体応用に着目し，発光制御に関する知見を得ることを目的として，紫外発光に対する真空中および各種ガス（N{sub}2，H{sub}2，NH{sub}3およびO{sub}2）雰囲気中での熱処理の効果について調べた．カソードルミネッセンスにより評価を行った結果，熱処理を行わない試料の発光は，320nm付近を中心とする発光バンドが支配的であった．この発光の強度は，真空中では1200℃を超える熱処理により著しく減少した．また，H{sub}2およびNH{sub}3雰囲気中1200℃の熱処理によっても，この発光は減少した．一方，O{sub}2雰囲気中では，900℃の熱処理により大幅に増加した．以上の結果より，320nm帯の発光には酸素が関与していると推測される．