動画像のマルチチャネル伝送における動的帯域割当方式

摘要

一般に，ネットワークを介してリアルタイムに複数動画像ストリームを同時伝送#12539;再生するシステムにおけるQoS制御は，エンドーエンド間で個別に行われる．したがって，各再生動画像の画質は割り当てられた帯域量に依存してばらつきが生じる．本論文では，動画像の符号化方式としてMPEG符号化方式を対象とし，複数動画像ストリームが同一回線を共有する場合に，各動画像のQoS制御を統括的に行うことによって画質のばらつきをおさえる方式を提案する．具体的には，複数のビットストリームスケーリング方式を選択的に利用するスケーリング方式を用いるとともに，ビットレートと画質の関係が折れ線近似できることを利用して，各ストリームの画質劣化が等しくなる帯域割当方式を提案している．更にこの方式をシーンチェンジの多い動画像ストリームに適用する場合の割当帯域切換方式を提案するとともに，ストリーム数の増加による特性劣化について考察している．