パルスレーザー(PLD)法による、これまでの[CaFeO_3(CFO)/LaFeO_3(LFO)]人工超格子薄膜の作製において、その1層当たりの堆積量は平均値で目標値の-17であり、制御性の低さが問題点の1つであった。そこで、本実験では堆積量制御性の問題を解消することを目的として新たな成膜手法の開発を行った。作製した超格子をXRR(X-ray Reflectometry)測定しその結果をフィッティングすることで各層の1パルスあたりの堆積量を算出した。その結果を次の成膜に用いるパルス数計算のパラメータとした。その工程を何度も繰り返しフィードバックすることで堆積量制御性の向上を目指した。成膜時のRHEED(Reflection High Energy Electron Diffraction)強度振動から、超格子の1~2サイクル目とその後のサイクルでは挙動の異なる強度振動を観測した。XRR測定フィッティング結果から得られた1サイクルあたりのCFOおよびLFOはそれぞれ1.17nm、1.43nmであった。それらの値と所望のユニット数を用いて堆積量制御性を評価した。作製した超格子の63が所望のユニット数±10であった。堆積ユニット数nが同じ超格子を連続で作製することで制御性が連続で向上していた。
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