再生不良性貧血から発作性夜間血色素尿症に移行し両側腎，肝，脾，肺に血栓症をきたした例

摘要

1996年9月，71歳時，当院で再生不良性貧血と診断され，rG－CSF製剤，タンパク同化ステロイド薬，あるいは免疫抑制薬cyclosporin などの内服の治療を受けていた.2000年3月19日，腹痛で当院に入院し，炎症所見，凝固異常などを認めたが，抗生物質の投与で軽快し4月6日に退院した．腎機能，腹部CTに異常は認めなかった．5月9日より下腹部痛があり，当院外来にて経口抗生物質を処方された．5月10日，肉眼的血尿，発熱，下腹部痛，腰背部痛のため緊急入院した.