安全な航海のための見張りシステム実現に向けたHW/SW協調によるネットワーク接続カメラ画像安定化処理システムの設計

摘要

海上交通の事故は見張り不十分によるものが多く、コンピュータビジョンによる航海見張りシステムの実現が期待されている。システム実現にあたり、認識に用いる船舶のカメラ画像には長周期の揺れが含まれるため、画像安定化処理が必要である。しかし高解像度（4K）の画像に対する画像安定化を、通常のソフトウェア（SW）を用いて要求性能（10fps）で処理することは困難である。一方、複雑な処理の全体をハードウェア（HW）化する事もまた困難である。本研究は、ARMプロセッサコア搭載のFPGA（Xilinx社製Zynq）を用いてHW/SW協調処理による船舶見張りシステムを構築することを目標とする。本稿ではネットワーク接続に特化したZynq搭載基板の開発と、その上で動作するネットワーク接続カメラ画像安定化処理システムの設計について述べる。