SMT(Simultaneous MultiThreading)は演算器の利用率を上げることができるため,面積に制約のある組込み向けのプロセッサに向いている.その一方で,資源を共有することによって競合が発生し,実行時間の予測性は低下してしまう.実行時間の予測性の低下はリアルタイム性が求められる組込み向けプロセッサにおいて問題となる.そのためRMTP(Responsive Multi Threaded Processor)は実行時間の予測性を高めるためにスレッドの実行速度を制御するIPC(Instructions Per Clock cycle)制御機構をもつ.しかし,IPC制御はスレッドのスループットを低下させる.そこで本研究では,RMTPにおいて,特にリアルタイム性が要求されるスレッドにのみIPC制御を適用し,その他のスレッドのスループットを向上する手法を提案する.IPC制御を行うリアルタイムスレッドと行わない非リアルタイムスレッドをぞれぞれ2スレッドにしRTLシミュレーションをした結果,リアルタイムスレッドへの影響を抑えながら非リアルタイムスレッドのスループットを最大で10向上することに成功した.
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