市街地火災時の火の粉の飛散に関する数値シミュレーション: 実験結果を組み込んだ火の粉飛散モデルの構築

摘要

市街地火災の特徴としては、火災旋風，巨大な火炎合流，火炎からの接炎や放射熱，大量の熱気流，大量の火の粉などが挙げられる。建築研究所では、過去の大火の知見だけではなく、建物間の延焼要因として、按炎，放射熱，熱気流などの実験結果を踏まえた物理的なモデルの開発を行ってきたが、火の粉に関しては、考慮されないままの状態にある。 火の粉による跳躍延焼の過程は、「発生」，「飛散」，「着火」の3つのフェーズに分類することができる。 この中で、火の粉の「飛散」範囲を予測するには、CFDを用いた数値シミュレーション手法が有効な手段であり、これまでにもいくつかの読みがなされてきた。