急性B型肝炎におけるウイルス血症の消長

摘要

免疫不全のない健常成人が， B型肝炎ウイルスに感染し，B型急性肝炎を発症した場合，重症·劇症化する一部の症例を院いては予後は良好である．こうした症例でウイルスが血液中にいつまで残存するのかということについてここでは述べることにしたい．一過性のB型急性肝炎の典型的な経過をFig．1に示す．通常，肝機能の正常化に前後して，血清HBs抗原が陰転化し，遅れて血清HBs抗体が出現する（出現しない例が1割程度あるとされているが）．