二輪車·歩行者が屋外で拡張音響現実型端末を利用しようとする場合,非常に大きな風雑音が問題となる.風雑音は端末の音声アノテーションを妨害してしまうため抑止しなくてはならないが,すべての音を遮断すればよいわけではなく,自動車のクラクション·救急車のサイレンなど安全にとって必要なサイン音は透過的に提示されなくてはならない.本報告では,イヤホンマイクを用いた拡張音響現実型端末で風雑音に対してspectral subtractionおよびIterative Wiener filteringを適用した.そして,アノテーション音声を想定した音声了解度試験と,ユーザー周囲の環境音に含まれる自動車のクラクションなどを想定したサイン音の知覚の評価を行った.その結果,Iterative Wiener filteringは音声の了解度向上には急速に有効であったが,風雑音の大きい環境ではサイン音の知覚率を大幅に低下させることがわかった.
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