代謝ネットワーク中における負の酵素反応フィードバック機構を模倣した適応型ルーチングアルゴリズム

摘要

インターネットにおけるルーチングアルゴリズムとしては最短経路優先アルゴリズムであるShortest Path First（SPF）が利用されている.しかしながら，SPFは局所的なふくそうの原因となり，またネットワーク障害に対しても脆弱である.一方，細胞内に存在する代謝ネットワークにおいては，阻害反応などのフィードバック制御機構を用いることで負荷分散や耐障害を実現している.本稿では，このような代謝ネットワークの特性に注目し，インターネットにおける負荷分散，耐障賓を実現するために，代謝ネットワークにおける制御機構の1つであるフィードバック機構を模倣した適応型ルーチングアルゴリズムについて述べ，シミュレーションにより提案手法の有効性を示す．また，ネットワークのスケールフリー構造を考慮した提案型ノードの効果的な配置方法についても述べる．