Cu下地膜を用いたFe－Co－Al－O膜の磁気特性

摘要

Cu下地膜を用いることでNi－Fe下地膜と同様、Fe－Co－Al－O膜の軟磁気特性が改善されることが明らかになった。CuあるいはNi－Teを下地膜に用いた場合には、製膜中に印加した磁界方向を磁化容易軸とする面内一軸異方性が付与され、磁化困難軸方向の保磁力は4－6 Oeであった。 さらに、磁界中熱処理によって、軟磁気特性が改善されるとともに磁化容易軸方向を所望の方向に変更できることがわかった。わずか膜厚0.2 nmのCu下地膜上に堆積した膜厚100 nmの(Fe{sub}70Co{sub}30){sub}99 (Al{sub}2O{sub}3）{sub}1膜は、飽和磁束密度23.5 kG、10 MHzから1.8 GHzにおける有効透磁率1200－2520、強磁性共鳴周波数2 GHz以上と大きく記録ヘッド材料として良好な特性が得られた。 断面TEM観察の結果、Cu下地膜上に堆積したFe－Co－Al－O膜はNi－Fe下地膜と同様、結晶粒径が7－10 nmの微細な柱状形状であることがわかった。