奈良家住宅「不自由さから生まれる力」

摘要

奈良家は戦国時代に奈良から移住してきたと伝えられる一族で、 現在の土地に定着したのち農業で富を蓄積しました。まず外観の 巨大さに圧倒されますが、この形式は両中門造りといわれるもの。 主屋の上手·下手が大きく突出しており、上手は寄棟造り、下手は 入母屋造りとなっています。そもそもなんでこんなに大きいのか？ とに力べ異様なスケールなのですが、実はこれ、積雪時に家への 出入りを容易にするため仮設で架けていたものが常設化した形式 だそうで、次第に家の格式を示す象徴となりました。秋田·山形·新潟などの豪雪地帯に多く見られ、場合によっては中門を3カ所も もち、主屋より面積が大きいものもあるそうです。