音響センサーを使用した膜損傷の検知技術

摘要

近年，MF膜やUF膜を用いた膜ろ過処理の安全性を高度に保持するため，膜の損傷検知について，精度の高いシステムが求められるようになってきた。膜の損傷を高精度で検知できるシステムとしては，加圧空気を使用した方法が知られているが，従来のシステムにおいては，膜損傷の生じた膜モジュールを自動的に特定することが困難な場合があった。そこで，膜損傷の高精度での検知と，損傷した膜モジュールの自動的な特定を，同時に行なうことが可能なシステムとして，音響センサーを用いた膜損傷検知技術について，実証実験を行なうこととした。 実際の膜ろ過施設において，実証実験を行なったところ，暗騒音の存在する条件においても，気泡音の判定は十分に行なえることが確認された。 本システムは，膜損傷の検知を行なう方法の1つとして利用することが可能である。