本稿では,組込みシステムのタスク内動的電圧·周波数制御(DVFS: dynamic voltage and frequency scaling)による消費エネルギー削減の効果を向上させるための実行トレースマイニングを提案する.DVFSによって消費エネルギー削減の効果を向上させるためには,残り最悪実行サイクル数の正確な見積もりが必要である.本稿では,実行トレースマイニングによって,分岐の共起関係や実際に通り得るパスを把握することで,より正確な残り最悪実行サイクル数の見積もりを実現する.CHStoneの倍精度浮動小数点数演算のベンチマーク4つに対し,実行トレースマイニングによって抽出した情報を用いたDVFSを適用した.その結果,既存のDVFS手法に比べ,平均で13.8%の消費エネルギー削減を達成した.
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