時空間符号へのツイスタ一理論からのアプローチ

摘要

送受信の双方で複数のアンテナを用いる時空間符号が，グラスマン多様体によって表現できるということと，ペンローズによって提案されたツイスタ一理論で，複素時空や複素光円錐がグラスマン多様体で表されるという二つの事実に基づき，今回我々は，時空間符号の符号空間や符号語と，複素時空の複素ナル直線や時空点との関連付けを試みている.その結果，フルダイバーシチであるノンコヒーレントな時空間符号の符号語は，複素光円錐内の時空点に対応することが判明した.このことは，光子のような無質量粒子の光円錐を用いた情報の通信や取り扱いに，時空間符号の議論が役立つ可能性があることを示している．