ETS-Ⅷ搭載フェーズドアレー給電アンテナ用一括指向制御型BFNの開発

摘要

衛星搭載反射鏡アンテナに使用する，フェーズドアレー給電用BFN（Beam Forming Network；ビーム形成回路）について述べる．フェーズドアレー給電反射鏡アンテナでは，反射鏡の焦点面からデフォーカスされて設置した給電アレーこ対し，BFNによって励振振幅と位相を制御してアンテナビームの形成や走査を行う．本論文で述べるBFNは，複数のビームの形成に必要な励振振幅・位相の共通項を一括して制御可能な構成を有する．この構成によって，衛星軌道上で発生する機械的・熱的・電気的要因による指向誤差を簡単かつ効果的に補正できる．本BFNは，技術試験衛星Ⅷ型（ETS-Ⅷ）の移動体通信・放送ミッションに用いる大型展開アンテナの給電機器として搭載され，2003年に打ち上げられる予定である．